桂田宗慶のイタリア裏パーツ事情(第5回)
今回、5月下旬にイタリアボロニャーにあるFAR社とバレーゼにあるコブラ社を訪問した。FAR社は現在日本でドカティを中心に優れたデザイン、クオリティのわりに低価格でブレークしているバックミラーを製造しているメーカーである。このメーカーは先々代の時代にいわゆるモッペトと呼ばれるバイクを製造していたバイクメーカーでありその流れでいまでも電気バイクも一部製造している、市場の需要の変化の中、主力商品をバックミラーにおき、ピアジォ(べスパ)、ドカティ、BMW,ホンダ、カワサキ、 等にOEMとしても製品を供給している信頼のおけるメーカーである。 ご興味のあるかたは是非一度当社ホームページをご覧ください。
現社長のマルコ氏は今の日本でもなかなか見つけることができない服装をしていて、いつも、会うたびにプッと噴出してしまうのをこらえるのが大変、だって20年前のサーファー、アメリカドラマのジョンアンドパンチに出てきそうなファションですよ。もちろん中身はナイスガイ。
さて今回の訪問のテーマは、今後のアフターパーツとしての新商品開発モデルについて聞きだすのがポイントだ。そこで、BMWについて聞いてみると、出ましたシークレット事項。担当のレオナルド氏から、これは、アフターパーツとしては開発するのではなくOEMとして供給する商品で、まったくの初期段階のプロトタイプだがと断ったうえで、見せてくれました。 見た瞬間このミラーは次期BMWのニューモデルがどんなものがでてくるか想像されるのに十分のものであった。皆さんも一緒に想像してみてください。
今、BMWは新型車のラッシュですがまだまだ続きそうです。 私見ですが、イタリアデザイン、アプリリアとの提携劇を考えると、
多分これは・・・ 皆さんどう思われますか?
翌日、ミラノから車で約1時間の距離にあるバレーゼに本拠をおく日本では盗難防止装置スパイボールで有名なコブラ社を訪問した。 バレーゼはミラノから1時間の位置にあるとはおもえないぐらいミラノと比べると別世界である。スイスにほど近い位置にあり、きれいな湖、緑に囲まれた高級避暑地の一面と電気産業が盛んな工場地帯の別の一面をもつ場所である。バイクではカジバの本社があり、そのオーナーカストリーニ氏の自宅も町のど真ん中にあり角のブロックから次の角のブロックまで敷地である。こちらの金持ちはケタが違う。芦屋の一般的な大邸宅の何倍もある敷地面積だ。
さて、話を本題にもどすと、コブラ社は4輪ではトヨタ、日産、ホンダ、スズキ、マツダと国内主力メーカーはもとよりベンツ、プジョー、シトロエン、ヨーロッパの主力メーカーにOEMとして盗難防止装置を供給しておりこの分野では圧倒的シェアを誇っており、二輪車分野でもドカティ、ホンダに次、最近カワサキでも純正指定された優れた特許技術を誇る盗難防止装置を製造する社員数300名ほどの会社です。今回の訪問の目的は、日本でのスパイボールでの販売状況の報告と前回のドイツでの最大のオートバイショーインターモトで発表になったブルーツゥースの技術を使ったワイヤレス通信システム 商品名ハローバイカーズの発売が予定より遅れており、どうなってんねん!(関西弁)といいに行くことがポイントだ。 担当のスゥエーデン人のベント氏とのミーティングが始まった。
現状、日本では国内4メーカーほか他メーカーも標準でイモビライザーが装着されてきておりまた義務化される方向であること、われらのBMWもR1200RT、STに標準でアラームつきの盗難防止装置を装着してきている点、また、他メーカーも追随してくる可能性が大である点、携帯電話によるリモート機能を持った盗難防止装置がでてきた点、日本の二輪の盗難件数が減少傾向にある事を報告。
彼らも、その点は理解は十分理解していると言った上で、本来の盗難防止装置の役割のところを強調してきた。
彼が言うには、盗難防止装置で一番大事なところは、盗難に遭遇したとき、イモビライザーが効き、尚且つ、アラームがきっちり反応することが大事ではないか、当たり前のことだが、現在、多く他で採用されている傾斜センサーだけだとスタンド下ろしても反応しないものが多い、その点スパイボールは特許のボールセンサーによりいわゆる不振な動きに対して反応する。これを、力説し、メーカーから傾斜センサーつき の盗難防止装置が標準装着されようが、できれば、ユーザーに併用して使って頂きたい商品であると自信をもって言っていた。蛇足だが新型BMWのR1200RT,STにスパイボールを併用して装着は可能です。
今回のメインテーマであるブルートゥースの技術を使ったワイヤレス通信システム ハローバイカーズの納期の遅れにどうなってんねん!と質問した。 解答は基盤であるPCBに問題がみつかり最初からやり直しで遅れいるとのことだった。 インターモトに言ったとき、あんた、1月には必ず間に合うて言ったじゃない。。。。
それで、いつ、できんの?7月にイタリアで販売して9月には日本に販売できるとのこと。ほんまかいなあ?彼はスゥエーデン人だが、過去にイタリア企業には痛い目にあっているので、どうしても疑心難儀になってしまう。
まあ、新商品は色々時間がかかるしょうがないか!と言うことで皆様今しばらくお時間ください。
ブルートゥースて、まだまだ、日本じゃ聞きなれない言葉ですが、昨年インターモトーのショーでドイツのヘルメットメーカーシュベルスやわがBMWのシステムヘルメット5(残念ながら形状の関係で日本での認可問題で入荷未定)新商品でブルートゥース技術が取り入れられており会場はおおいに盛り上げってました。
今後、間違いなく世界の主流になるのは間違いなさそうです。日本でも最近ある四輪メーカーがブルートゥースの技術を使った携帯電話を積極的にユーザーに販売しはじめ、次の展開を狙っています。二輪でも最近ホンダがブルートゥースの技術を使った商品を販売しはじめましたが、これは、残念ながらライダーとパセンジャーが有線。
コブラ社が販売予定のハローバイカーズは通常のヘルメットならどんなヘルメットにも装着できライダー、パセンジャーともにワイヤレスで、通話でき、10m以内なら同じ装置をつけたツーリングの相手とも、ワイヤレスで通話可能、さらにブルートゥース搭載の携帯の電話とならワイヤレスで通話できます、また、今後発売されるであろうブルートゥース対応のステレオが販売されればワイヤレスで音楽も楽しめます。
こんな、素晴らしい商品が9月には発売予定です。皆様、今しばらくお待ちください。
ミーティングが終わり、ミラノのはずれのイタリアンレストラン フランカ、パオラ、レレ(注)で大学の同級生で現在イタリアカワサキの社長をしている田村と業界の情報交換しながらも昔の話を思い出し談笑して夜がふけていった。
明日は、数日休暇のためナポリに旅立つ、ナポリの月が海を照らす光景は、日本にはないなんともいえない光景で、仕事のついでの休暇だが、イタリアにきて本当によかったとおもえる瞬間である。是非、皆さんも一度ナポリは訪れてみてください。ナポリからアマルフィ海岸にかけてはBMWのツーリングにもってこいのワインディングコースとイタリアを感じる景色があります。できれば、ハローバイカーズをつけてダンデムで。
注・ミラノのはずれにあり、ほとんど日本人がこない、地元のイタリア人ががメインで自家農園を所有しており、そこで作ったパンチェタ、野菜が新鮮。調理はすべて炭火で肉料理がうまい。併設のバーは半端じゃない年代ものグラッパとブランデーがおいており、なかなか出会えないシロモノ。田中康夫氏もここの常連らしい。家族経営で息子は大のホンダ党のバイク好き。
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