桂田宗慶のイタリア裏パーツ事情(第7回)

7_pic002今回のテーマはイタリアからリリースされている、駐車関連のパーツというより道具のお話を少しさせて頂きます。私が輸入パーツ会社を起こした5年前は日本にはなぜか駐車関連の道具は全くといっていいほどありませんでした。会社を起こしたての初めて行ったミラノショー、何がなんでも何かいい商品を見つけて帰るぞと、目にとまった商品のカタログをかたぱっしから持ち帰り、帰りの飛行機重量オーバーで高いペナルティー料金を払わされたのが今思えば懐かしく思います。

7_pic003そんなこんなで、日本に帰ってカタログを改めて見直すと二つの面白い商品が目に止まりました。それは、ティレ社のフルベルトというオートバイを自宅のガレージの上空にあげて有効に収納するリフターと同じく有効に収納するのは同じですが今回の東京モーターショーでどこかのメーカーが360度回転する車を発表していましたが、まさにバイクをのせて(サイドスタンド、センタスタンドをたてずそのまま乗せる事ができます)360度回転させたりでき、ガレージの地面のスペースを最大限有効に使えるスピンバイカーズ社のモトレーロという商品です。説明するより写真を見ていただいたほうが早いとおもいますが。

ガレージのデッドスペースを有効活用できる、イタリア・ティレ社製の「フルベルト」。写真はカツラダモータース店内で実際に使用している様子を撮影したもの。2台のR1100GSの真上にフルベルトに乗ったDUCATI SS800が見える。現在は販売中止となっているが、興味を持った方はKMAまでお問い合わせを。
ガレージのデッドスペースを有効活用できる、イタリア・ティレ社製の「フルベルト」。写真はカツラダモータース店内で実際に使用している様子を撮影したもの。2台のR1100GSの真上にフルベルトに乗ったDUCATI SS800が見える。現在は販売中止となっているが、興味を持った方はKMAまでお問い合わせを。

その当時、こういった商品が日本になかったことと狭い日本、駐車ペースでお困りになっているかたもいらっしゃるのではと思い、直感でこれはいけると思い込み(思い込みが激しいタイプです)早速、この2社にコンタクトをとってみました。そして、急遽再びイタリアへ飛び2社との商談が始まりました。 この当時は相手がどんな会社かどこにあるかもあまり気にせず、とにかく交渉。無我夢中で超がつくほど前向きでしたなあ。

台座の片側はスロープになるので、バイクの積載もスムーズに行える「フルベルト」
台座の片側はスロープになるので、バイクの積載もスムーズに行える「フルベルト」

まずは、ティレ社(イタリアのレジオ エミイラという場所、いったいどこなのかいまだに実はあまり理解してません。)を訪問するとマンションの一室で工場らしきものも一切ありません。3人の若者がおり、全員社長だと、はじめに説明してきました、よくよく聞けば彼らは、工業大学の同級生で学校を卒業して共同でこの会社をつくったということです。

 

フルベルトはこの会社をつくって5年間研究開発してはじめて完成した最初の商品だということがわかりました。素朴な疑問として、5年間どうやって会社を経営してたんだと尋ねると、 それぞれアルバイトをして会社を維持してきたそうです。すごい熱意ですし、日本じゃなかなかない話ですよね。とりあえず、サンプル輸入することで話がまとまり彼らに食事に連れってもらいました、彼らは英語をまったくしゃべらずイタリア語でしゃべりまくります。
この時イタリア人の印象がわたしの中でだいたいかたまりました。ようしゃべるやつやな。それが、今もかわらない私のイタリア人の印象です。 それと、もうひとつ言わせてもらえばどこにいってもイタリアで食べるイタリア料理はうまい。日本にも地方によって名物があるようにお勧めのパスタと料理があり、普通のレストランでも日本で食べるイタリア料理と違いとにかくうまい。 これも、今もかわらない私のイタリアの印象です。

「モトレーロ」の使用例。バイクをモトレーロへ運んだ後、スライドするように動かせば狭いスペースにもピッタリと収めることが出来る。女性でも簡単に移動できるので、バイクの奥に止めた車を出すときでも楽に行える。ガレージを最大限に利用できるだろう。
「モトレーロ」の使用例。バイクをモトレーロへ運んだ後、スライドするように動かせば狭いスペースにもピッタリと収めることが出来る。女性でも簡単に移動できるので、バイクの奥に止めた車を出すときでも楽に行える。ガレージを最大限に利用できるだろう。

話が横道にそれましたが、5年の歳月をかけ完成したこの商品の発想の原点は、3人のうち 一人がオートバイ好きで車となんとかこの駐車スペースでバイクがおけないか考えはじめた結果、たどりついたのがこのフルベルトでした。そして、はじめてミラノショーに出展して彼らにとってこれからという時期でした。今でも彼らが夢について語っている姿をこの商品のカタログを見ると思い出します。

さて、実際に輸入してみると彼らも手造りでこの商品をつくっており1台につき2ヶ月製作にかかること、彼らとしては始めたばかりで値段があまりディスカウントできない事情、また船便で輸入しても数量をまとめない限り重量があるため現地価格の3倍になってしまうこと。それと、日本での組み立て、配送の問題、当社も創業当時でお金があまりなかったこと(今もありませんが)もあり残念ながら販売は見合わせる商品となってしまいました。ただ、今カタログを見ても素晴らしい商品だと思いますし、同じような商品が多分あまり日本ではないとおもいますのでもしご興味があるかたがいらしゃいましたら是非当社までお問い合わせください。リクエストが多いようでしたら彼らに5年振りに連絡をとってみたいと思います。

7_pic101さて次に向ったスピンバイカーズ社はミラノにあり、古いベンツで滞在のミラノのホテルまで迎えに来てくれました。どんな会社かなあと思うと、こちらもベンチャー企業でこの 商品のメーカーとして以外にオートバイ関連の商品を世界各国から輸入し、イタリアで販売しているベンチャー企業でした。実際にこの写真のようにK100LTをエンジンをかけたままモトレーロにのせて駐車場にスムーズにしまう実演をみせてもらい一発で輸入を決めました。ここの社長は、30歳前後のアラブ系イタリア人で先ほどのティレ社の3人のさわやかさとは、うってかわって、みるからに商売人で。

スピンバイカーズ社「モトレーロ」。長方形の鉄骨のコーナーに4つの台車がついており、重量級バイクを積載しても楽に移動できるシロモノ。ガレージ内で数台のバイクを保管していたり、車と共有しているケースで大活躍する。
スピンバイカーズ社「モトレーロ」。長方形の鉄骨のコーナーに4つの台車がついており、重量級バイクを積載しても楽に移動できるシロモノ。ガレージ内で数台のバイクを保管していたり、車と共有しているケースで大活躍する。

初めてあったにもかかわらず、あなたのようなヤングライオン(若手のやり手ビジネスマンという意味か)と仕事が一緒に仕事ができて光栄ですとか歯の浮くことを連発でいいます。でも、人間とは不思議なものでお世辞とはわかっていても褒められると悪い気はしませんね。この調子でイタリア人は女性を口説くんでしょうね。。。また、話が横道にそれたのでもどしますと、サンプル輸入で長さを調整する部分の棒が使用するうちに塗装が剥がれる問題がみつかりましたが、素早くこの企業は材質を変え対応してくれましたので事なきをえ、販売にこぎつけました。

おかげさまで、そこそこ販売できましたが、最近のユーロ高と同じコンセプトもつ商品が形、大きさは違いますが低価格ででてきましたので、完売になった時にいったん輸入を中止しました。ところが、そのとたんに多くのリクエストをいただきましたので限定数ですが輸入を再開いたしました。因果な商売です。残り5セットとなりましたのでご興味があるかた方がいらっしゃいましたら是非当社までお問い合わせくださいませ。(今回は宣伝ばかりですいません。)

今回は日本と同じような住宅事情をもつイタリアで生まれたオートバイの駐車収納関連商品をご紹介させて頂きました。次回は最新のミラノショーの情報、特にわれらのBMWがきっと発表するであろうBMWニューモデルとBMW関連最新パーツ情報満載でお届けしたいと思います。それでは、ヤングライオンとしてイタリアに飛んでイタリア料理を食いまくってきます。味噌汁を忘れずに持っていきます。。。では、では、さようなら。。

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